|
◆酵素の働き京大が確認◆ (平成19年4月2日現在)
感染すると胃ガンになりやすくなることで知られる細菌(ヘリコバクター・
ピロリ菌)について、京都大学の千葉勉教授らの研究チームが胃ガン
発症の詳しい仕組みを解明した。
胃の細胞にピロリ菌が感染すると、ガン抑制遺伝子を変異させる酵素を
呼び寄せる働きがあることが分かり、胃がん発症につながるという。
成果は米医学誌ネイチャーメディシン電子版に二日掲載する。
ピロリ菌はオーストラリアのバリー・マーシャル博士らによって発見され、
胃炎や胃潰瘍を起こす。
また、その後の研究で感染すると胃ガンになりやすいことが分かった。
マーシャル博士らは2005年にノーベル生理学医学賞を受賞したが胃ガンを、
引き起こす具体的な仕組みは分からなかった。
京大チームがピロリ菌に感染したマウスの胃を調べたところ、免疫関連の
酵素が働いていた。
通常はリンパ細胞で働き、多様な抗体を生み出す酵素だが、胃では、
胃壁の細胞のガン抑制遺伝子を突然変異させる。
遺伝子が変異した細胞はガンになりやすくなる。
人間の胃の細胞にピロリ菌を感染させて培養したところ、この酵素が増えた。
日本人の四割程度がピロリ菌の保菌者とみられ、感染すると胃ガンを
発症するリスクが高まるとの調査結果が出ている。
抗生物質を使って除菌し、胃ガンの発症を防ぐ試みが進んでいる。
病気予防・ダイエット情報TOP
|